頭の悪い日本語 (新潮新書)

頭の悪い日本語 (新潮新書)

 新刊で購入。今までの猫猫先生の本の中で、一番楽しく読めたかも。もちろん知らなかったことを「へーなるほど」というのもいいのだが、関係あるんだかないんだかよく分からない付け足しみたいな感想がいちいち面白い。
 そういう楽しみとは別に、真面目な意図もあって、猫猫ブログにある本には収録されなかったあとがきで中身が読めます。
 確かに「看護婦」を何も考えずに使わなくなる思考停止状態は健全じゃないでしょう。我々一般人は、何となくテレビや新聞で自主規制している用語を使うのが、ある種のタブーに触れるというか、倫理的にまずいように思い込んでいるところが確かにあるからな〜。
 イスラム教(といういい方は少し変かもというのはp.166にあり)を茶化すと命の危険があるみたいな具体的なことなら、まだ分かるけど(もちろんイスラム批判がそういう形で封じられるのはそれはそれで大問題だが)、そうじゃなくて何となく言葉狩りが進んでしまうのは気持ちが悪い。
 小谷野さんの熱狂的なファン(p.57)以外の人にもおすすめできる中身です。