セリーヌの作品〈第10巻〉評論―虫けらどもをひねりつぶせ

セリーヌの作品〈第10巻〉評論―虫けらどもをひねりつぶせ

 新刊で購入。

尻を出せ!糞団子め!……やつらが本当の、あるがままのユダヤ人であること、そのユダヤの蛆虫の頭から尻尾までが、各時代の全世界の呪いに関わる、鼻もちならぬ人種差別のコレラ菌、いわば不倶戴天のコレラ菌であることなど、絶対あからささまにしてくれるわけがない……(p.256)

 全部こんか感じ。これじゃフランスでまともに出版できないのもうなずけるわな。
 もちろんこんな単純な反ユダヤ主義なんて馬鹿げているに決まっているけど、これだけの熱量がある憎悪は、ある種の崇高ささえ漂わせるような芸術価値が間違いなくあると思う。
 人間を呪ってやまない万年厨二病の私みたいな人間は、かなり高いけど常備して損なし。気分が落ち込んだ時に読むと元気が出ます。