新刊で購入。ガッチガチに論理で押していくのでも、思考実験を駆使して進めていくのでもなく、レトリックで何とか事態を炙り出していくような議論の進め方だという印象。私は第8章が特に良いと感じた。
 間違いなく一級品の哲学書であり、テーマ自体、運命論というよりは、これぞ哲学としか言いようがない「存在」とか「現実」とか〈私〉だとかで言い表そうとしている最も根源的な内容。そういう意味では哲学好きならば間違いなく楽しく読めるはず。
 しかし上記のスタイルの問題からか、本書をネタにしてあれこれ議論するのは結構難しいかもしれない。そういう意味では難解な書なのかな〜。