Making Sense of Taste: Food and Philosophy

Making Sense of Taste: Food and Philosophy

 キンドルで購入(キンドル版がなぜかうまく表示されないので紙媒体をリンク)。最近、料理に凝りだしたり、よく行くお店で色々味について薀蓄を聞いたりして、味覚についてあれこれ考えることが多いのだが、日本語で読める手ごろな本も見当たらなかったので読んでみた。
 視覚聴覚と比較して劣った感覚とされてきたことや、「taste」という語が美的な判断と味覚の両方に使われだした経緯など、前半の哲学史的・思想史的な話はそれなりにためになった感はあるものの、哲学的な議論や洞察は残念ながらほとんど得られなかった。後半の文学や美術についてはなおさら。
 哲学書というよりは、哲学についての要素が多い教養読み物ですな。フェミニズム話が時々出てくるのがオリジナルと言えばオリジナル。
 英語的には、前半普通、後半のテーマはなじみがないこともあり結構辛かった。
 あと、キンドルで絵画の図版を見るのは無理があります。せめて大きく拡大できれば……。