吉田豪の巨匠ハンター

吉田豪の巨匠ハンター

  • 作者:吉田 豪
  • 発売日: 2020/03/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  図書館で借りて読了。吉田さんの腕もあるけど、年の割に皆旺盛に話すこと話すこと。アニメ業界を中心に、その周辺の面白過ぎる(あまりに面白過ぎて惜しくもカットされた箇所も多数あるのが残念)エピソードは歴史的証言としても貴重なものばかり。裏主人公としては、ヤマトプロデューサーの西崎さん、手塚治虫の二人。色んな所に登場する。
 個人的には『片隅』関連の資料として丸山さん目当てで読んだ。もちろんその内容も興味深いものだったが、失礼ながら予想外に面白かったのは松本零士。昔の名前で出ているマンガ家程度の認識しかなかったが、話が異様に面白いし、中に出てくる知人・友人の名前がこれまたオモロ。
 安彦さんのアニメ薄給虫プロ犯人説への疑問と、宮崎・高畑コンビのさすがの傲慢さエピソード(pp.182-183)も証言として貴重。
 ボーナストラックの押井守も非常に読み応えあり。
 吉田豪案件に外れなしは本書でも実証された。実現の可能性はゼロに近いとしても、いつか吉田さんには宮崎駿インタヴューしてほしいなぁ。