イスラム教の論理(新潮新書)

イスラム教の論理(新潮新書)

 

  図書館で借りて読了。ツイッターでのキャラそのままに「イスラム教では~だ!!(キリッ)」という断言調な物言いはかなり鼻につくが、イスラム教の中核にある現代日本人の価値観と全く相いれない「危険な」論理を分かりやすく提示してくれているのはとても勉強になった。
 。ジハード、女性や異教徒、同性愛者への態度は、まともに読めば近代社会では到底受容不可能な酷いものであることは明白だろう。批判が少ないのは、単に日本にイスラム教徒が少ないというのもあるが、かつて悪魔の詩の訳者が殺されてしまったような暴力・テロへの恐怖が一番の原因だろう。シャルリーエブドの時も、大手メディアでは言論の自由擁護とイスラム教批判はほとんどなかったし。
 ゆっくり世俗化してキリスト教と同じくらい原理主義が薄まっていけば良いんだが、どうしたものか。日本にもまともな宗教批判・原理主義批判をするインテリ層がもっと欲しいものだ。