図書館で借りて読了。

 闘病記目当てで読んでみたが、さすがに研究者だけあって知性論なども含蓄に富むものだった。また、大学内情もなかなかに醜くくて内幕ものとして面白い。

 解説にもある通り、複数のテーマが混在した不思議な本だが、読み応えがあった。一時は言葉を発することすら困難なほどの重い病状から、これだけの量の知的アウトプットができるまでに回復したというのは、同種の病を得た人々への大きな励ましとなるにちがいない(現に私はとても勇気づけられた)。