『荘子』―鶏となって時を告げよ (書物誕生―あたらしい古典入門)

『荘子』―鶏となって時を告げよ (書物誕生―あたらしい古典入門)

 図書館で借りて読了。面白い。
 全然知らんかったこと、例えば老荘って一まとめにするけど、それはあやしいだとか、仏教と荘子の関係だとか色々勉強になったし、欧米の荘子研究の動向なんて、なかなか目にする機会がないからね。
 荘子に含まれる哲学的内容って、胡蝶の夢くらいしか知らなかったけど、他にも色んなアプローチがあるんですな。
 しっかり初学者に配慮して、引用は漢文じゃなくて全部現代語訳だし、先行研究を踏まえて、それに色々コメントしながらあれこれ論ずるという非常に王道的内容。しっかり自分の解釈や意見も出てるしね。
 気になる点としては、「他者が・・・」「ドゥルーズの・・・」という部分。私の好みじゃないし、うさんくさい。その手の話が観覧でいるところは、他の部分よりレベルが落ちている気がする。
 でも、全体的には非常にいい本です。おすすめ。