新戦争論―“平和主義者”が戦争を起こす (1981年) (カッパ・ビジネス)

新戦争論―“平和主義者”が戦争を起こす (1981年) (カッパ・ビジネス)

 図書館で借りて読了。宮崎哲弥が司会をしているテレビ番組に橋爪大三郎が出て、小室直樹の話をしていたのをたまたま目にしたのをきっかけに借りてみた。
 小室直樹の名前は知っていたけれども、何となく啓蒙書を書き飛ばしている人なのかなというイメージを持っていて、本は一冊も読んだことなかったのだが、上記の番組で橋爪さんのプッシュ振りが凄まじかったので、これは読まねばと急いでネットで図書館に予約を入れたのですよ。
 いやーこれはいい本。こんなにも論理的かつクールに戦争を論じている本ってなかなかないんじゃないかな。クールっていうのは、戦争なんかなくせっこないという諦めという意味じゃなくて、イデオロギーや立場にとらわれずに論じているっていうことです。
 時事的な側面もないではないが、大部分の内容は今読んでも全く古びていないと思う。
 文章が論理的だから頭にも入って気やすい。そのおかげで、論じている水準はしっかりしているけれども、高校生レベルで(頭がよければ中学生でも)十分読めます。、
 レーベルがレーベルだけにあまり期待していなかったけれど、読んでよかった。他の小室直樹の本も是非読んでみたい。