下半身の論理学

下半身の論理学

 図書館で借りて読了。三浦さんの他の本と同じく、慧眼と疑問点とトンデモすれすれが色々混じり合った感じの本。ここまでネット上のネタを前面に出して、用語法まで踏襲するというのは多分哲学系の本では私は他に知らないけど、妙に文体とマッチしていてかなり読ませますね。
 テーマも多くの人が興味を引くようなものだし、感心したり反発したりしならが、かなり楽しめました。付録も、分析哲学者の得意技を堪能できて素晴らしいし。特に付録1にうならされたかな。
 一つ疑問点を。非婚化の原因に「モテない男問題」というか、お見合いみたいな社会装置が弱まってしまって、私のような非リア充が独身のままでいるようになったという視点が全然ない気が。私の父親なんて、顔は普通だけど社交性ゼロレベルで、間違いなく現代なら結婚して無かった可能性が高いからね〜(母とはお見合いで結婚)。その点ちょっと著者のリア充っぽいバイアスを感じた。