キンドルで購入。論点を提示してある程度整理してはくれているけど、クリアでハッキリした議論の再構成と結論とまではいかないかな。まあテーマがテーマだけにしょうがないか。
 行き過ぎたキャンセルカルチャーへは批判的であり、作品の封殺は拒否しながら、かつ何らかの配慮は必要だけどという姿勢は常識的だろう。愚か者と捕食者という区別は日本でも取り入れたら良いのに。
 著者の思い入れが強いウディ・アレンが絡む部分は、やはり力がこもるのか他の箇所より読み応えがある気がした。
 ゴーギャンからマイケルジャクソン、ウディ・アレンビル・コスビーと具体例を沢山出してくれているのも良い。日本のこの手の議論は過去のサンプルや過去の議論の蓄積への言及が不足気味な気がするので。
 英語はそこそこムズ目。
 日本の分析美学関連の人で、イデロギッシュ・活動家体質でない人に似たようなテーマで書いてほしいな。