図書館で借りて読了。

 遺伝(才能)もあるけど努力はかなり大事、という主張自体はまあそうかもしれないな程度の説得力で、遺伝関係ないとは言ってないし、ある意味程度問題かと。その辺は訳者解説がバランス取ってくれている。

 あまりに才能才能言うと、自分は劣って才能ないと思われたくなくて言い訳したり挑戦を避けてしまうようになるから、努力を誉めてチャレンジするように、失敗を乗り越えられるように、という方針は次著の『失敗の科学』に通ずるところがある。ある意味才能やら遺伝やらを悪い意味で言い訳にしてしまうのは、自傷的自己愛の変種かもしれない。

 作者自身が一流卓球選手だったことによるエピソードや経験も興味深い。特に「あがる」とか「イップス」についてとプラシーボについての箇所はオリジナル度高くて面白かった。