図書館で借りて読了。

 豊富な現実世界の実例や広い学問分野の知見を手際よくまとめた非常に優れたポピュラーサイエンス読み物かと。

 どうしても賃金奴隷根性で、いかに所属組織のローカルルールに熟達するかで出世が決まりがちな我が国の多くの組織には、言い訳にしかなっていない外部監査役やら有識者会議やらなどでなく、実質的な多面的視点を組織に導入することを考えてほしいものだ。

 なんせCIAやグーグルだって失敗してるんだから。我々ボンクラが失敗するのは当たり前。無謬主義や党派性への解毒剤として多様性は有効なはずだ。バラモン左翼によるウォーキズムが「多様性」を使っているのが気にはなるが、彼らの無謬主義こそ意見の多様性を認めない思想警察傾向の証拠だろう。

 そういった「エコーチェンバー」現象もしっかり取り上げているし、政治的分断や有事の際の「認知戦」が深刻な課題ないまこそ多くの人に読まれるべき本。