図書館で借りて読了。エジプトとイタリアをナポレオンの足跡をたどりながら旅する紀行もの。相変わらずの博覧強記振りだが、本書では食べ物の描写がとてもよい。本当にうまそうで、旅行嫌いの私も本書で紹介された素晴らしいレストランに行けるならば、海外に行くのもいいかもと思ってしまった。
 また、一行の中の「フォトグラファー桑嶋」という人物に対するいじりっぷりが面白いの。『罰当たりパラダイス』の編集者イキ氏への抱腹絶倒の揶揄を思い出させる。福田和也は、「オバはん」シリーズのオバはん編集長もそうだけど、こういう漫才的表現は抜群にうまい。