図書館で借りて読了。これは将棋ファンには滅法面白い。もちろんヘボの級位者(=私)には棋譜の解説は難しすぎるが、棋士がどう考えて指しているか、非常に臨場感溢れる記述で詳しく書かれている。
 また、事前の研究(研究会)が現代将棋においてどれほど重要かというのも、本書で紹介されている、羽生が若手棋士と研究会をして最新の情報を教わっている(教えているのではなく!!)というエピソード(p.170)を読んで初めて納得できた。
 非常に楽しめた。また著者には将棋本書いて欲しい。
 余談。
 エキセントリックな天才とは対極にある、表向きは温厚で常識人な天才の代表格たる羽生の奇行(pp.222-223)は、天才だったらキチガイ成分をたっぷり抱えているに決まっているという偏見を強化してくれる面白エピソードとして貴重。