図書館で借りて読了。報道災害とは非常にいいネーミングだ。本書を読むと、政府や東電のデタラメと同じくらい、大手メディアに対して怒りがわいてくる。彼らが責任を果たさなかったせいで、しなくてもいい被爆をした人は一体何人いるんだろう。
 この体たらくでは、地震津波原発そのもの 対応、報道といった事柄へのまともな検証がメディアでなされる可能性はゼロに近い。未だに収束のめどが立たない福島の原発は、かなり報道量が減ってきているし・・・。
 また、「ウソに寛容、間違いに厳しい」という指摘はかなりの程度、メディアだけでなく日本人の傾向としてあたっていると思う。間違いを素直に認めて誤った人を叩いて責任取らせて、明らかに言い逃れの言い訳をしている奴を放っておくという愚劣きわまりないことがまかり通ってんじゃねーかと。
 とにかく、読むと怒りがふつふつとわいてきて、絶望感が深まります。タイムリーな書であると同時に、海外メディアとの比較もあったりして、ジャーナリズム論としても読めるでしょう。おすすめ。