21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

 
21世紀の啓蒙 下: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

21世紀の啓蒙 下: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

 

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 猫々先生の言う通り、これは現代の教養人にとって必読というべき素晴らしい本。

 特に、やたらとペシミスティックになってインテリを気取る私のような人文系寄りの教養が核にあるようなタイプの人間は絶対に読むべきだ。いかにその言説が単なる気分に基づいたものか大いに反省すべし。

 それ以外にも、現代の政治の分断や社会の問題へは、表題通りの理念をもってあたるべしというのは、まさに『今こそ啓蒙を!!』というタイトルにピッタリ。

 哲学愛好家にとっては、最後のニーチェ批判はもっともだと思う反面、ニーチェの最も重要な側面をとらえられていないと言わざるを得ないが、本書のような社会的なテーマ(=「大人の哲学」)にそこまで求めるのは酷か。というより、社会を良くするといった発想そのものと相性が悪いんだから、必然的にそうなるよね。

 あとは、原発に結構肯定的なのも日本の読者にはビックリする点だけど、論旨は真っ当なものでこれを踏まえてエネルギー政策と温暖化対策を考えざるをえないだろう。

 しつこいけど、とにかく読まないとダメ絶対!!