新刊で購入。軽めの文体でとにかく読みやすく、かつ、最後で実際に批評分を提示して例示してくれる親切設計。そういう意味で非常に実践的だった。
 どうしても説教臭くなってしまうのは、教えるという行為では避けられないことかもしれないとは思いつつ、いわゆる「リベラル系」インテリの匂いがどうしてもしてしまうのは鼻につくものの、避けがたいのはしょうがないのだろう。
 古典・正典だけでなく現代ポップス・映画まで縦横無尽に持ち出してくる博学振りも、現代の人文系知識人のある種の典型だろう。
 良い本だった。高校から大学入りたてにまず読む本としてこれから長く読まれることになりそう。