28回目の『この世界の片隅に』を約2年半ぶりに立川シネマシティへ。

 極音上映というだけあって音響はとてもよく、特に人の声とピアノの音は最高ランクの素晴らしさ。すずさんの左手を失って過去を回想するシーンは、重なるすずさんの声が一つ一つ今までで一番聞き分けられたかもしれない。

 また音だけでなく画像の美しさにも感心。解像度が異常に高いというか、クリアで粗が全くない滑らかで、しかもそれが大きな画面で観られるのだから、視聴環境としては理想的かと。

 都合がつかず片渕監督挨拶会には行けなかったが、久しぶりの鑑賞で感慨もひとしお。

 この後上映の『いくつもの~』も残念ながら行けないが、時間がある人は是非『この世界の片隅に』『この世界のいくつもの片隅に』を短期間で連続鑑賞し比較するというなかなかできない経験を是非してみてほしい。

  優れた芸術は単に喜びや感動といった情緒的なものを与えてくれるだけでなく、物事への新たな視点や洞察といった理知的なものも与えてくれると思うので、世界がロシアのウクライナ侵略で戦争というものに向き合わざるをえない今だからこそ、なおさら多くの人に観てほしい。