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このゲームにはゴールがない　――ひとの心の哲学 (単行本)

　新刊で購入。他者を巡る懐疑論とカヴェル（とウィトゲンシュタイン）がメインテーマということで非常に期待したのだが、うーんそこまででは。
　カヴェル解説としては貴重なのは間違いないのだが、そこから先への展開が踏み込みがないというか。そういった「深み」を求めること自体がある種の病だと言われるかもしれないが、私は病気がまだまだ癒えないのでどうしても不満に感じてしまう。

　日本語で独我論にまつわる考察をするのに、肯定的にせよ否定的にせよ永井均的〈私〉に全く触れないのもねぇ……。あえて避けているのかしら。