キンドルで購入。少し前の本だが、ロシアの侵略戦争が起こった今こそ論じたい内容っぽかったので。
 普段馴染みがない分野でかつ英語と文章自体がくどくて多少読みづらいのもあり、内容把握に大分不安がある。ただ、根本的なアイデアである、従来の戦時国際法などの考え方よりも、基本日常倫理の根拠となる発想や直観を戦争倫理にも拡張すべしという方針はとても真っ当で大いに共感できる。
 空理空論・党派性にまみれた愚論ではなく、本書のような市民の「戦争責任」の議論と考察こそ、今後起こる可能性が高い中国の台湾軍事侵攻へ向けての、哲学人文系知識人のできる公衆への知的貢献だと思うのだが……。