キンドルで購入。

 宇宙やサイバーという普通の人にはまだまだなじみがない軍事空間の解説が「売り」になるのかな。あとはこの戦争の裏主役が中国だというのも、日本人にとっては重要な認識だろう。

 淡々とした書きぶりだが、結局ウクライナへの侵略を止めるのは現実的には難しかっただろうという診断と、戦争は始めることより終わらせることの方が難しいという主張は何ともやるせない。

 本書でも台湾有事の発生確率は相当高いと書かれているが、そういう意味でも何とか戦争を抑止できれば良いのだが。

 ただし、疫学と同じで、抑止はうまくいけばある意味「何も起こらない」ことを目指すわけで、「ほらみろ、防衛増強なんて無駄だったじゃないか」と言われかねないわけで、そういったことを判断する能力を我々も一定程度求められるんだろう。しかし、未だにコロナ関連では議論が合理的な地点に収束せず、現状でも成功と言える認識状態にないことを考えると、難しいんだろうなぁ……。