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 森岡さんの「哲学学」批判や、頭脳スポーツ的・パズル解きのような小賢しい哲学のやり方への批判はおおむね同意できるし、自らの生き方に関わらない仕方で哲学するのが何かが欠けている感じがするのも事実だ。

 反出生主義や人生の意味について、まともに日本(語)で哲学することを広めた功績も結構大きい。

 しかし、ある種の科学者的な態度、ゲーム感覚、そういったものがないと「思想」への頽落が起こりやすくなるような気も最近は少ししている。

 森岡さんは若干そういった傾向が感じられるので、もう少し「淡々とテーマについて考える」方向に寄せた方が、色んな意味で健全じゃなかろうか。

 この辺はメタ哲学の話題になるんだろう。はったりでないメタ哲学の日本語文献が待たれる。それこそ大森荘蔵以降の伝統を参照しながら、「J哲学」を踏まえた哲学の在り方を参照すれば、英米にはないメタ哲学(哲学史も?)書けるでしょうに。誰かやって。