Essays and Reviews: 1959?2002 (English Edition)

Essays and Reviews: 1959?2002 (English Edition)

 キンドルで購入。ほとんどが短い文書でかつウイリアムズの文章にしては比較的英語も分かりやすいので、随分読みやすく感じた。
 哲学の書評だけじゃなくて、一般向けの本の書評、さらにはわいせつ表現や大学の人文系縮小についての小論なんかもあり。
 印象深いのはいくつか混じっている辛辣な書評。スキナーのものなんかフルボッコどころの話ではない激しさで、笑っちゃいました。
 私も年取って、流行りものよりは古典の方がやっぱり凄いと段々思うようになったものの、ウイリアムズほど「歴史」の意義を強調するのはまだストンと入って行かない。
 ただ、自分の思考がどういった枠組みに依存しているかというのは、来歴に意識的にならないと見えてこないだろうし、人文系の知の強みはそういった方面に強いことだろうから、そういった仕方で文系擁護論を多少は展開できるんじゃないかと思った。
 さすがに予備知識ないとあんまり読んで楽しくないだろう。私も全然知らない本の書評は、背景が分からないのでちんぷんかんぷんに近かったし。哲学好き向けですね。