新刊で購入。

 うーん、以前よりも大分アレルギーが強くなったのか、ちょっとどうかと思う方が読んでいて多かった。

 有名な「四方界」は厨二っぽくて格好良いし、「技術とは~」は講演として引き込まれるものが確かにある。

 でも、「物」の瓶について延々と語っていのなんて、本人が(p.35)違うというものの、単なる言葉遊びかしょうもないこじつけにしか思えない。これを過剰にありがたがるのは明らかに知的に問題あるのでは……。

 ハイデガーは確かに非常に重要な洞察をしたのは間違いないし、アイデアとして哲学的に価値あることを言っているという感触は変わらないものの、永井均さんがかつて言っていたように、「ロジックがなくてレトリックだけ」という評価が今回本書を読んで益々妥当なものだと再確認できたかな。

 訳文はかなり(元の文章が難解なことを考えると)読みやすいでしょう。