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 『片隅』鑑賞前土曜日に某都内シネコンで鑑賞。

 旧ツイッターで評判よさそうで、「マイマイ新子と似てる」なんて感想もあって観に行ってきた。

 これは良作。現代風でないけど古臭くもない童話調の絵も悪くないし、ポスト『片隅』的な背景・風景描写の緻密さと美しさもなかなか。声優陣も違和感なし。役所広司は特に専門の声優にも負けないくらい良かった。

 いくつかあるイマジネーション描写はどれも出色の出来だが、特にヤスアキちゃんがトットちゃんに促され、勇気をだしてプールに入った後の幻視は素晴らしく、これだけでも一見の価値あり。

 トットちゃんやヤスアキちゃん以外の子供たちも生き生きとしていて可愛らしい。

 確かに『マイマイ新子』と通ずるところはあると思う。

 音楽や音響、エンディング(曲含む)なども合格点。

 歴史的傑作の『片隅』と比較するともちろん色々見劣りするが、十分人に勧められる水準。今年のベストを争うかな。

 客入りがそれほどで良くないみたいなのは残念。そこまで『マイマイ~』をなぞらないでも良いのに。これはもっと見られてしかるべき作品ですよ。

 実写化でなくアニメ化を選んだ黒柳さんの見識は流石と言うべきか。

 恥ずかしながら戦後最大のベストセラーである原作未読なので、できるだけ早く読まないといかんね。