Mind, Language And Society: Philosophy In The Real World (Masterminds)

Mind, Language And Society: Philosophy In The Real World (Masterminds)

 のんびり読了。他に読んでいた横文字の本がまだまだ読み終わりそうにないので、薄いこの本を読んで景気を付ける(っていうのも変だが)。
 タイトル通り、サールの扱っているテーマ全てをざっくり解説している。中国語の部屋の話があまり出てこない以外は、コンパクトに自身の説をまとめてます。
 やはりある意味直観ベッタリで、志向性だとか心身因果だとか、「あるに決まってんじゃん」とでも言うべき姿勢は個人的に大好きだし、向かう方向性は正しいと思う。
 あと、最初の方でポストモダニストを批判しているところに面白エピソードが。ある有名なエスノメソドロジー(すいません訳せません)と会話していて、その人は「天文学者は、彼らの研究で現実にクエイサー等々を作り出した(単にもとからあるものを発見したんじゃなくて)」と主張していたそうな。で、サールがその人に「もし私達2人が月夜の晩に歩いていて、私が「今夜は月がきれいですね」って言ったら、私達2人は月を創造したことになるんですか」と聞いたと。そしたらその人「はいそうです」と返事したんだと(p.18)。
 頭のいい人が、その手の馬鹿げた社会構成主義を主張することもあるんですなー。今でもいるのかね。