プロタゴラス―ソフィストたち (岩波文庫)

プロタゴラス―ソフィストたち (岩波文庫)

 古書店で購入。徳が教えられるものなのかがメインテーマなんだろうけど、関連してアクラシアの話も結構なボリュームである。
 当たり前だけど、大体ソクラテスプロタゴラスをやりこめるんだけど、プロタゴラスのかなり長い回答のところは、それなりに説得力あると思うけどな。
 哲学的な中身もあるけど、対話編としても面白いね。それぞれ長い演説ぶってみたり、イラついてみたりで、登場人物が生き生きしてる。ソクラテスがどう考えても嫌な奴っぽく感じてしまうのは私だけでしょうか。「お前答えなげーよ」的なのを遠まわしに言うところなんか特に。
 まあ徳はある種の知識で教えることができるということに一応はなるんだけど、たんなる知識と言い切っていいかどうかは違和感ありますね。ある種の道徳的不感症者のように、完全に社会的な道徳のコードを理解して、なおかつそれになぜ従わなければ全く理解できない(どころか、意図的にそれに反抗することすら可能)というのは十分想定可能なわけです。それは本当は知らないんだと来るんでしょうが、説得力感じませんな〜。
 それはともかく、プラトンやっぱり面白いですね。まだ目を通してない対話編少しづつ読まないと。
 で、今読み終わって本棚にしまおうと思ったら、そこには同じ本が既にちゃんとありました……。読んだかどうかすら全然記憶になかった。これが老化か。やばいな。