キンドルで購入。

 どうしてもギリシアから現代欧米へと続く流れで行われたもののみが哲学だと私は考えてきたし、アジア圏では哲学的なものはあくまでマイナーで、「思想」はあっても「哲学」はないと漠然と思ってきた。そういった先入見への全面的な批判と、哲学そのものへの再検討をせまる哲学史方面からのメタ哲学的な試みと解釈できるだろう。

 個人的には、現代分析哲学への違和感や、思想と哲学の区分けへの批判などは(受け入れるかどうかはともかく)真剣に対峙しなければならない課題だと感じた。失礼ながら、アフリカ哲学なんて聞いたことなかったけど、面白そう。

 学際系の試みにありがちな、たんなるごった煮で中途半端で中身なしに終わらない何かを生み出せるかもしれない狂人な熱意と知性を発する力作。哲学ファンは読まないといかんね。