世界はなぜ「ある」のか?: 実存をめぐる科学・哲学的探索

世界はなぜ「ある」のか?: 実存をめぐる科学・哲学的探索

  図書館で借りて読了。ここまで正面からのタイトルは気持ちよい。著者が話を聞くのは大半は物理学者と哲学者で、作家が一人混じっている。
 テーマ自体は難しいこと極まりないものだが、中身は読みやすい。個人的に一番面白かったのは、価値創造説のところ。発想として異様な感じがするけど、プラトン以来支持者がポツポツといるんですね。
 数学が全くできない私は、デレック・パーフィット(p.338)も数学得意じゃないというので少しだけ勇気づけられた。
 あと、著者の最終的な解明、けっこう良くできてんじゃない?少なくとも議論する価値はありそうな気がする。どこまで本気だかわからないのも面白い。
 ラスト付近は泣けるエピソードも持ってきたりして、読み物としても色々工夫されています。テーマに興味がある人にはオススメ。