The Fragility of Goodness: Luck and Ethics in Greek Tragedy and Philosophy

The Fragility of Goodness: Luck and Ethics in Greek Tragedy and Philosophy

 キンドルで購入。英語が結構難しく、無教養ゆえの背景知識不足、かつ分厚いため読むのにやたらと時間がかかり、理解度もイマイチ。最初の方なんて忘れちゃったよ……。
 とは言え、運や外的事象への態度を悲劇とプラトンvsアリストテレスを軸に論じるというのは、ある意味普遍的で分かりやすいテーマでしょう。孔子老荘、仏教といった東洋の知にも同じテーマは常に表れてくるだろうし。
 著者はアリストテレス的な、世俗の中での知恵というか、現実世界に参与する賢者に肩入れしているんだが、私個人はプラトン的超越に根本的には惹かれてしまう。
 ちょっとボリューム的にほいほい読める本じゃないけど、哲学書というよりすぐれた人文知、教養書を求めるならばその期待に必ず応えてくれるでしょう。