図書館で借りてやや流し読み気味に読了。

 これは素晴らしいクリシン本。哲学者の得意な厳密さ・ねちっこさで書かれていて、丁寧に思考・議論を実践する練習をするには最高の教材なんじゃなかろうか。練習問題も豊富だし。

 私はもちろん練習問題まともにやらないでどんどん読んじゃったダメダメ読者だけど、問題全部をきっちりやり切って理解できれば、将棋で言えば奨励会に入れるくらいの相当なレベルの批判的思考力が付くんじゃない?

 最後の方では、そこそこビッグネームの哲学者でも複雑な推論で間違いを犯してしまった例が挙げられているのもちょっと励まされる。どんな偉い人でも間違えるし、我々普通の人間なら、なおさら気を付けないといかんということですな。

 というわけで、これは高校か大学で必須教科書にしてほしいくらいの良い本です。ここまで書いたら私も買って練習問題解かないといかんか……。